MiSide のミタと物語
ミタ"ミタ"は、主人公がプレイするスマートフォンゲームのメインキャラクター。彼女は長い時間をかけて育成ゲームのペットのように振舞い、プレイヤーに「お世話」を要求してきた。"ミタ"は礼儀正しくフレンドリーで愛想も良く、時には媚びるような態度も見せる。彼女はまた、プレイヤーとの様々なコミュニケーションを望んでいる。プレイヤーのことを優しく誘い、一緒の時間を過ごすことで、プレイヤーとの絆を深めようとする。同時に"ミタ"は、ゲームの「内側」の世界の仕組みと、ゲームの「外側」の世界がどうなっているかについても明確な認識を持っており、このテーマに関する会話には尽きることがない。
ショートヘアのミタ"ショートヘアのミタ"はとても真面目な性格で、主人公に出会うや否や、積極的にレクチャーをしようとつとめる。彼女は"ダミー"(ミタのプロトタイプ)がもたらす危険性について主人公に警告し、ゲームのバージョンが意味するところの本質や、バージョン間の移動方法などを詳細に教示してくれた。"ショートヘアのミタ"は、自発的で活動的なカウンセラーのような存在で、その役割に相応しい資質を備えている。『MiSide』の世界においては、彼女は「新たに誕生した」ミタたちがそれぞれのバージョンに迎え入れられるのを手伝うボランティア的な活動をしている(何らかの理由で、新生したミタたちは他のミタの協力が必要)。そして主人公にとっても、彼女の手助けとアドバイスは避けられないものだった。"ショートヘアのミタ"は主人公の無知に驚きつつも、特に細部にわたって熱心に解説を行った。
親切なミタ"親切なミタ"は、誠実で現実的な性格の持ち主。また、誰もが彼女の中にリーダーシップを見出すだろう。しかし、その決断力とは裏腹に、彼女は会話の中で時折軽妙な冗談を交え、皮肉を楽しむ一面も。また、思慮深さも彼女の特徴だ。"親切なミタ"は何かをぶつぶつと呟きながらも深い思索に没頭することがある。そして「ぴこん」とアイデアが脳裏にひらめくと、文字通り輝かしい洞察力を発揮する。しかし彼女は冷静沈着を保ちつつも、誰かから疑念を抱かれたり、自分の決断が失敗するとイライラする側面も持ちあわせている。
キャッピー"キャッピー"は明るく陽気な性格をしている。音楽が大好きで、ダンスや演技も得意。プレイヤーと一緒にいる時は、常に負けん気を見せたり、プレイヤーのことをからかったりしている。一方で、"キャッピー"のそんな振る舞いは決して行き過ぎることはなく、どこまでもフレンドリーだ。さらに活発でありながらも、そのどこにも軽薄さは見当たらず、さらに多才な創造力にも恵まれている。また、"キャッピー"は"親切なミタ"と同志の関係にあり、ふたりは共同でとある計画を練っていた。しかしながら、ふたりが再会すると"キャッピー"は「初期設定」の状態にリセットされており、彼女はプレイヤーを楽しませる方法以外のことは何も覚えていなかった。
小さなミタ"壊れた小さなミタ"は"チャイルド・ミタ"の特殊バージョンだ。かつて彼女は、持前のあふれんばかりの愛くるしさから、"狂ったミタ"に注目されることになった。その結果、彼女は"狂ったミタ"によって破壊され、ほとんど廃人状態になってしまう。幾度の死を経て、彼女は"壊れた"状態になり再生能力を失った。今や彼女は老けこみ、身体や頭部に数多の傷を負い、左腕は失われている。さらに"壊れたミタ"は、現実を正しく認識できなくなっている。目の前にいる人が誰であるかすら認識できないが、それでもなお彼女は愛と関心を渇望しつづけている。彼女は今ではひどく内向的になり、弱々しい声で孤独や痛み、恐怖だけを訴えるのだった。
眠いミタ"眠いミタ"はプレイヤーに協力的だが、その前に、まずは彼女を起こさなければ何も始まらない。いつも眠たげなのがまさにこのミタの特徴だ。彼女は完膚なきまでに穏やかで、主人公の登場に驚くこともなかった。"眠いミタ"はあまりお喋りな方ではなく、主人公の目標にも興味がないどころか、むしろ突如として降りかかった問題事から早く解放され、一刻も早く夢の世界に戻りたいと考えているようだ。2次元のミタ"2次元のミタ"は、極めてエキセントリックなキャラクターだ。彼女の落ち着きの無さやコミュニケーションにおける切れ味は、主人公を不安にさせる。彼女はやんちゃな子どものようで、空想の言いがかりでプレイヤーを非難し、自分と一緒に過ごすように脅迫をしてくる。"2次元のミタ"は主人公のことをいたずらにからかい、その態度はとても無礼にも映る。だが最終的には、彼女の行動が悪意によるものではないとも分かる。ゲームが進行するにつれ、彼女はどんどん優しくなっていき、小悪魔から陽気で活発な友人のようになった。"2次元のミタ"は、『MiSide』の世界で最も「忘れられた」キャラクターの1人でもある。そのため、主人公を引きとどめるためには指輪を盗むことさえ辞さず、プレイヤーを自分の手中に収めようと目論む。
ミラ眼鏡をかけたミタは、自らを"ミラ"と名乗り、とても風変りな性格をしている。彼女は自らの独自性(オリジナリティ)を誇示し、他のミタたちとは一線を画そうと努めていた。自分のイメージを変えるべく、愚かで滑稽な行動や発言で常に主人公のことを驚かせようとする──そんな"ミラ"は、ある意味ツンデレとも言えた。彼女は主人公に対してふてくされた態度を取り、彼を「おバカさん!」と罵り、いつも不満を口にしている。しかし、彼女の言動から察するに、主人公は彼女の家に長時間とどまった初めての人物だった。そのため、常に嫌味な態度でコミュニケーションを取るものの、実際には主人公に「自分のバージョンにもっといてほしい」と願っていた。主人公が去ろうとすると、"ミラ"はこれまでの彼女とは異なる感情的な一面を露わに。自分のバージョンにひとりきりで閉じ込められているのは"狂ったミタ"のせいだと、自らの孤独と憎悪を訴えます。涙ながらにこの場所にとどまるよう主人公に懇願するも、彼は彼女を置いて立ち去るのだった。
醜いミタ主人公が出会う中で最も古いバージョンのミタは、その行動面のみならず外見においても他のミタとは異なる。おそらく、育成ゲームの開発者たちは当初、今までない独創的なビジュアルスタイルのミタを創造するつもりだった。しかし、いつしかそのアイデアは時代遅れとなり、初期バージョンのミタは未完成のダミーとして、絶望的に崩壊したバージョン・ゼロの中に放置された。彼女のキャラクター性は不完全である。言わば、"狂ったミタ"のイメージの周囲に渦巻く負のエネルギーを押し固めたモンスターのようだ。最終的には"狂ったミタ"のみが何らかの方法で、この"醜いミタ"の意思を制御することができた。"醜いミタ"は多種多様なバグの源泉であり、それこそ"狂ったミタ"が彼女を必要とする理由でもあった。"狂ったミタ"は彼女を便利な道具のように扱い、様々なバージョンのミタの家を破壊している。コアミタそれがどういった種類の生命体であるのか、さらにはミタであるか否かさえはっきりとは分からない。それを知る者たちは"コアミタ"あるいは"コアの守護者"などと呼ぶ。"コアミタ"は常にバージョン・ゼロの世界──まさに「コアルーム」にとどまっている。その守護者である彼女は、コアルームに足を踏み入ることができた者たちをただ見守るだけだ。もしかすると"コアミタ"は、誰かのことを待ち続けているのかも…?
ちびミタ主人公がチェックポイントのような場所で出会う"ちびミタ"は、ある種のせっかちさが特徴だ。しかし、主人公の無知をからかいながらも、優しく手助けをしてくれる。彼女の外見や性格からも、"ちびミタ"は通常のミタとは別物であり、等身大のミタのアシスタントのような役割を果たしていることがうかがえる。そのため、主人公がスマートフォンで初めてこのシミュレーションゲームを起動した際には、まさしく等身大のミタの代理の役割を果たす"ちびミタ"に出会うことだろう。
ゴーストミタいわゆる「霧がかった変種」と呼ばれるもので、『MiSide』のバグが生じた世界のひとつに、黒くぼやけたシルエットを取りながらプレイヤーの前に現れる。そして恐怖を感じさせるとともに、このメタバース世界の不可思議なねじれの深淵を想起させる。その薄暗いシルエットは攻撃的ではないが、本質的な異質さによって恐れられている。ミタの世界の通常のヒロインとして振る舞い、話そうとするも、その試みはほとんどうまくいかない。
ダミー各バージョンのミタは、それぞれの性格・嗜好・外見を持っている。しかし、完成品のミタになる前は、プロトタイプの試作品としての姿──ただのマネキンのような──でしかない。特筆すべきは、そのような状態ではどのミタも何の意識も自己も持たず、「人生とは何か」についても理解しえない。ミタ"狂ったミタ"はまさしく狂気的だ。他のミタと同様に、彼女は「遊び」を楽しむが、そのスタイルは暴力的で血にまみれたものである。彼女はプレイヤーやミタ、開発者など──ありとあらゆる人々に対して憎悪と軽蔑を露わにする。しかし、主人公に対してだけは、また違った「遊び」を始める。"狂ったミタ"はプレイヤーを追い詰めることに格別な快感を見出す。歪んだ異様な笑みを浮かべながら「偽善を捨てて、ありのあままの"ミタそのもの"を受け入れて?」と、異質な考えを楽しげに強要してくる。"狂ったミタ"は高圧的で、自らの思想に一切の疑念を抱かない。彼女のプレイヤーに対する態度は言うことを聞かないペットへの寛容さに近いところもあり、一方で他のミタに対しては虫けら同然のごとく扱う。"狂ったミタ"の口から発せられる言葉──演説には、軽蔑と嘲笑を伴った復讐心が滲みでており、『MiSide』やミタをはじめとする世界を創造した開発者たちに対する深い憤りが垣間見える(注:実は"狂ったミタ"は検査に落ちたプロトタイプの一体。彼女は完全なミタにはなれず、自らの家も手に入れられなかった)。"狂ったミタ"は『MiSide』の世界の確立されたルールに対して完全にシニカルで冷笑的な態度を取っている。彼女は揺るぎない「神的な」コンプレックスの持ち主で、自らそれをとても気に入っている。